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日本の美を凝縮した俳句

ひろっぴさんの体験をもとにした記事です。

もともと自然が好きでした。
俳句をはじめて歳時記を読むうちに、家族旅行も自然の豊かなところに行きたくなりました
もちろん、旅のお供に、ノート、鉛筆、歳時記を一冊携えてね

30代半ばだったかな、野菊の花の俳句を読んで
実物を見たくなったんです。
そして、野山にこどもたちを連れて行ったことも。

こどもたちは俳句をするわけではないけれど、
「お母さん、あそこに花が咲いているよ。なんて名前?」
とか
「空蝉(せみの抜け殻のこと)は何で足が曲がっているの?」
そんな会話を交わしたのが、すごく懐かしいです。
おかげと、こどもも自然が好きになりましたよ。


情緒あふれる季語


たとえば「風」ひとつとっても、四季折々の風情ある季語が。



「東風(こち)」
 春に東から吹いてくる風。
 どこかに冷気や寒気をかんじさせるもの。

「春一番」
 春になってから最初に吹く強い南風。春を連れてくる風。
 南風なので、人々は暖かさの到来を予感する。



「南風」
 夏の南東からの季節風。
 夏の蒸し暑さが感じられる。

「茅花流し」
 茅花(つばな)が風に揺らされている様子

「青嵐」
 緑に染まった木々や草原を吹き渡る風のこと。
 木々の枝葉の音、草のなびく様子に、風が生き物ののように思える。



「色なき風」
 さわやかな風。無色透明のすべてを晒すような寂しい風。

「野分(のわき)」
 秋に訪れる疾風。
 雨はなく、強風が吹き荒れて野も草も吹き分けるので、野分という。



「空風」
 晴れた日に吹く北西の乾燥した季節風

「虎落笛(もがりぶえ)」
 冬の強い北西の寒風が吹いて、竹垣や柵にあたり
 笛のような音をだすことをいう。

※参考文献:現代歳時記(たちばな出版)

季語には、わたしたちが想像する以上に奥深いものがありますね。
いくら言葉を並べても、言い尽くせないほど。


歳時記からも感じる、日本の美しさ


歳時記とは、古来からの四季折々の言葉を集めた字引で、季語や俳句が掲載されています。
自然や伝統や日本語のエッセンスでいっぱいなんですね。
それ故に、単なる季語や俳句の解説ではなく、読み物としても面白い。
(歳時記の簡略版、季寄せもあります)
日本の美しい四季のうつろいを感じたり
いつもなにげなく使っている言葉の中に、
新たな発見があるかもしれませんね。


俳句から生まれる思い


歳時記に掲載される古来からの季語。
めまぐるしく変化する社会と共に、掲載される季語も変化しているんですよ。
スピードはゆっくりなのですが、後を追う感じでね。

昔は近所で見られた草花も、今は遠くへ行かないと見られなくなったり、どこにでもいた虫、花が、ここ豊田市では見られなくなっている。

自然の生き物や伝統ある行事などが少しずつ減っているんです。そうなるとだんだん使う季語も減ってくる。季語も使われなくなる寂しさはありますよね。

日本人の心から生まれた俳句は、自然とは切っても切れないもの
だからこそ、自然に感謝しつつ、わたしのできることで日本の四季を守っていきたい。
そして、美しい自然を大事にしていきたいですね。


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